低身長
SHORTSTATURE低身長について
それぞれのこどもに多様な個性があるように、こどもの発育や身長もさまざまな経過を辿ります。身長がゆっくり伸びるこどももいれば、身長が早く伸びてしまってその後はあまり伸びずにいるこどももいます。このように多様なこどもの発育において、身長が低くなる原因もさまざまです。成長ホルモンや甲状腺ホルモンが不足していたり、染色体の異常が原因の場合もあります。また生まれつきの体質や遺伝による体質性低身長の場合もあり、それらの原因によって対処法も変わってきます。
お子様の身長について気になることがありましたら、当院までお気軽にご相談ください。
低身長の原因と治療
こどもの身長が低い原因の多くを占めるのが、ご両親も背が低いなど、遺伝や体質によるものと言われています。しかし中には成長ホルモンなどの身長を伸ばすホルモンが出ていない場合や、染色体や骨の病気によってこどもの身長が伸びない場合も稀にあります。これらの病気はそれほど多いわけではありませんが、早めの治療によって対処できる場合があります。
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気
脳の外傷や脳腫瘍などにより脳の下垂体がダメージを受け、下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなった結果、身長の伸びが悪くなることがあります。(成長ホルモン分泌不全性低身長症、甲状腺機能低下症など) これらの病気では成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌不足が原因のため、これらを治療で補うことで身長が伸びます。
染色体の病気(ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群など)
ターナー症候群とは、女の子にある2本のX染色体が1本しかなかったり、一部が欠けたりしている病気です。卵巣の発育が悪いため思春期がみられず、また心臓病や難聴など合併症を伴う危険性もあります。ターナー症候群の治療においては、女性ホルモンや成長ホルモン治療を行うことがあります。
プラダー・ウィリー症候群とは、15番染色体の変異によって生じる病気です。低身長だけではなく性腺の発育が悪くなり、乳幼児期には筋緊張の低下がみられ、発達障害や肥満などの症状がみられる場合もあります。プラダー・ウィリー症候群の治療においては、成長ホルモン治療により身長を伸ばし、また筋力や体の代謝の改善も図ります。
子宮内発育不全(SGA性低身長症など)
子宮内発育不全とは、妊娠満期で生まれても身長や体重の小さいこどもや、早産によって妊娠週数と比較して小さく生まれたこどものことを言います。子宮内発育不全で生まれたこどもは3歳までに身長が伸びることが多いですが、稀に身長の伸びがみられない場合は成長ホルモン治療を行うことがあります。